「コインシデンス効果」



「コインシデンス効果」


ほとんどの住宅の壁には「石膏ボード」や「合板」が使われていますが、
ある周波数で音波が入射したとき、その素材の「屈曲振動(弾性や慣性)」と
入射音波の振動とが一致し、音と素材が共振状態を起こします。

共振することで、まるでそこに壁が無いかの様に、音がそのまま
通り抜けてしまう、とても困った現象を「コインシデンス効果」と呼びます。


同一素材のみで壁を作る場合、それがどれだけ厚くても、まとめて
共振してしまい、上記の現象が起きてしまいますので、防音工事の際は
注意が必要です。

そうならないための対策としては、異なる素材の組み合わせで壁を作る事です。
その対策に、一番お手軽なのは「遮音シート(防音シート)」です。

   防音シート



石膏ボードと遮音シートでは共振する周波数帯が異なるため、異素材を組み合わせる
事で、互いにそれを補う事ができます
(もちろんそれだけではなく、遮音シート単体による遮音性能の向上も期待できます)。


また同じ素材でも厚みが異なれば、素材の屈曲振動に若干変化が生まれますので、
例えば「厚さ9.5mmの石膏ボード」+「厚さ12.5mmの石膏ボード」という組み合わせでも
同じ厚さの物を2枚よりは、幅広い周波数で見ると遮音性能性能が高くなります。
(細かく言えば張り合わせ方も重要です)


逆に、トータルの厚みは厚くても、周波数によって下記の様な現象も起こります。

総合的な遮音性能:  12.5+12.5mm < 12.5+9.5mm


下記の鉛複合板(石膏+鉛)異素材の複合板等も、コインシデンス効果の
対策には効果大です。

   コインシデンス効果を考慮した防音壁の施工例



防音シート


※上記の図は、ほんの1例になりますので、様々な方法がございます。
  ご不明な点がありましたらお問い合わせ下さい。